2019年11月24日
洋式マーブリング制作メモ
イタリアなどで伝統工芸として今も行われる、のり溶液の上に絵具を垂らして模様を作る式のマーブリングのキットを使ってみたので、気がついたことなどをメモしました。
正直、キットを使ってでもかなり大変でした。
以下が工程です。最短でも3日かかります
︎印がやってて気がづいた点です。
1. 下処理
適当な温度のぬるま湯を用意し(要温度計)定着剤を溶かし、それをスポンジかハケで満遍なく紙に塗る。
重なった紙を板で挟んで重しをして乾かす。
当然それでは完全に乾かないので翌朝に板を外して紙をバラして乾かす。
︎定着剤を塗る前に、塗らない方の面にあらかじめ印をつけておくとマーブリングの時に迷いません。
2. バットに流すのりを作る
適当な容器に指定量の水を入れ、少しづつ粉を入れていきだまなく完全に溶けるまでかき混ぜる。
︎かなり時間がかかります。順調にできたとしても1時間ぐらいは見てください。
あと指示書にはないけど溶かすのには泡立て器でグルグルするのを強くお勧めします。
3. 染め
こういう感じで道具を用意する。
のりをバットに流し、泡が出たら竹串などで潰す。
︎模様を作るクシ(写真左上にあるもの)は売っているのもあるそうですが自作しました。ピンの間隔を変えて数種類用意。
まずは古新聞紙などいらない紙にバット表面にのせて表面の細かいゴミを取り除いたあと、インクを落としていく。
︎指示書通り容器のチューブから直接水面に落としていくと底に沈んでいくので(沈んだ分は紙にうつらない)筆にとって穂先を水の上につけるようにするか、木の棒に筆の軸を打ち付けるようにして散らばしていくのがおすすめ。周囲の養生必須。
︎バランスよく落としていくのはなかなか困難だが、前の色が完全に広がった後に次の色を落としていくようにすると少しは予測つく。
チューブから直接落とすのをやらない方がいいのはもう一つ理由がある。そのままだと色がかなり生々しいというか、どぎつい色に染め上がってしまう。混色必須。
筆や小皿は色の数だけ必要。
その後、紙を上にのせて染める。
必要に応じて竹串や櫛で水面を動かして模様を作る、狙った模様を作るには慣れが必要。
4.水につけて表面ののりを落とす
︎参考書にはこのまま洗うまで水につけてていい、とあったけど水の中につけといたら溶け出した!
板の上に載せてシャワーをかけるという方法でも元の白い紙に戻りそうに!
結局一枚一枚水を貼ったバットの中で柔らかいハケで撫でる感じになった。
それでものりを完全に落とそうとしたらやはりインクがとれそうになる…。
5. 水をタオルとかで押さえて板で挟んで重しして一晩二回目
翌日はがして並べて乾燥すれば終わりだが、端っこの部分がノリではりつく。
これを水につけながらはがして…(この辺でいい加減ストレスが...)。
︎ いろいろ材質の紙に染めてみましたのですが、定着材を塗っても染まりのいい紙と悪い紙があった。
和紙系は概ねいいけど、コピー用紙はダメだな。
それと、色紙や茶色く変色している古い洋書は、他の紙にその紙自体の色素が色移りした。
なんか、もう…、専門の職人がいるのが納得できましたよ。
学校の授業などで気軽にやりたい場合、意図的な模様を作るのは難しいのですが同じメーカーが出しているマドレーか、黒一色になりますが墨流しをお勧めします。
でもたくさん作ったので一部ミンネに出品しました。
↓
https://minne.com/items/20676391
こんなんやってられっかと思った方のご購入をお待ちしております。
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