2011年04月29日

本の修繕

ここに、壊れた本があります。
本の修繕

本をかがっている糸が切れ、表紙と本体が離れた状態です。
本の修繕

本の修繕

実は、今流通されている本のほとんどは貼り合わせているのではなく、ホットメルトという樹脂を熱で溶かして固めてあるだけなのです。これは効率が良いのですが丈夫ではありません。
まず、それや切れた糸などををなるべく完全にとりのぞきます。左側にある棒状の物がホットメルト(の残骸)、あとページの一部がバラバラになっていたので並べる作業が加わりました。
本の修繕

糸は8個の穴に4本の糸を入れてかがる方法でした。このように4本の針と糸を使い、絡まらないよう気をつけ縫い合わせていきました。かがり終わった後に上からのりを塗って「寒冷紗」という補強用の布や表紙に負担のかからないようにする背枕(クータともいう)などを貼り、一晩乾して、次の日に表紙と貼り合わせます。

本の修繕

はい、直りました。

本の修繕
開いたところ。のりによる修繕なので壊れる以前より開きが良く操作性が向上しているはずです

愛着は実用品にも美を与えます。つまり、手製本というのは使える美術なのですね。


この修繕本は中城のJIJI CAFE様に納品いたしました。
HP http://jijicafe.com/

ムーディな、なおかつ落ち着けるお店でした。本はお店に置かれてますので、お立ち寄りの際にはお手にとっていただければ幸いです。



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Posted by オバネヤ at 00:12│Comments(6)手製本
この記事へのコメント
すごーい!こんな風にやるんですね~。
また何かありましらよろしくお願いします♪
楽しい企画考えましょう!
Posted by sui at 2011年04月29日 21:39
こんばんは~

ブクブク交換会の会場だったBookish内で
仕事をしている者です(^^)
交換会、おつかれさまでした♪

イベントの合間に修繕本をのぞかせていただきましたが
とてもバラバラだったとは思えないほど
しっかりしていて美しく仕上がっていましたね♪
ワタシ、この本、Bookishに寄贈されたものだと勘違いしていて
後日、この本棚を探してしまいました(^^ゞ

jiji cafeさんにあるのですね~
家から近いので行ってみます~
Posted by kei^-^kei^-^ at 2011年04月29日 23:11
sui 様

この度は本の修繕依頼をご紹介下さりありがとうございます。
sui様も含め、いろいろな人の手を得て私の所に来た本でしたよね。

そして、教室は長いこと「できればいいなぁ...でも無理だよな。」
と思い続けてたことだったので、これも嬉しいと同時に鳩に豆鉄砲的な驚きでした。

大げさかも知れませんが、この一連にはちょびりと運命を感じました。

沖縄では知名度の大変低い手製本ですが、どうにかしてそのおもしろさをお伝えすることが出来れば、と思います。
大人向けの教室を持つのは初めてなので、いろいろ相談やお世話をおかけするかも知れませんが、よろしくお願いします。
Posted by オバネヤ at 2011年04月30日 23:03
kei 様

はじめまして。コメントありがとうございます。
kei様はBookishでお菓子やジャムを作られて置かれている方ですね?
私がしこたま持って帰った甘いサンドイッチはkei様が作ったものだったのか...その節はごちそうさまでした!

JIJICAFE、気にはなっていたのです。
が、車の中から通り過ぎ際に見るとちょうどずらっと酒瓶がならんだあたりが見えるせいでお酒中心だと思いこんでいて、この修繕を受けなければ永遠に入らなかいという損をしていたと思われます。
良いところでしたよね。
本棚にありますので、ぜひ、ごらんになって下さい。
Posted by オバネヤオバネヤ at 2011年04月30日 23:41
おはようございます^^

トラックバックできてなかったよう・・・と思ったら
みんな見に来てる^^;

でも 記事リンクしておきますね。
あと・・・・お教室 Bookishでも希望です!(笑)
当日は 時間なかったので 又今度ゆっくり!!
お話させてくださいねー
Posted by BookishBookish at 2011年05月03日 11:17
Bookish 様

やっぱりできてなかったですか(汗)
リンク、お手数おかけいたしましたー。
新しく書いた記事にもあるのですが、ずっと理解されてこなかった分、この豆鉄砲を連射されてる鳩のような事態が未だ信じられません...。

みなさんをがっかりさせないよう、どんな工夫をすれないいいのかな? と現在色々考えておるところです。

少しはうんちくとかもあったほうがいいよな。

そちらへは連休が終わったあたりで伺わせていただきます。
Bookishさんだと蔵書表も良いですね。
Posted by オバネヤオバネヤ at 2011年05月06日 00:03
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